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マフラーを交換したら車検に通らない?車検に通るマフラーとは

投稿日:2023/06/25

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クルマのマフラーは、車検においてどのような基準が定められているかご存じでしょうか。マフラーを社外品に交換しようと検討した際に、どのようなものであれば問題なく車検に通るのか疑問に感じる方も多いでしょう。そこでこの記事では、マフラーを交換する時に注意するべき点や定められている保安基準について解説します。

マフラーの役割とは

マフラーはクルマの排気管の一部です。具体的には、排気管全体の内の最後にある「消音装置」のことを指します。

マフラーの役割は次の通りです。

排気ガスに含まれている有害物質を減少させる

エンジンから排出されるガスには、人間の体に悪影響を与える有害物質(一酸化炭素、炭化水素、窒素化合物など)が含まれています。

有害物質を減少させるマフラーのパーツを触媒といいます。触媒は貴金属(白金・ロジウムなど)でコーティングされており、この内部を排気ガスが通過することで有害物質が減少するという仕組みです。

エンジン音を抑える

クルマは、エンジン内部でガソリンを爆発させた力を原動力にしており、そのまま排出すると非常に大きな爆発音が発生してしまいます。このエンジン音(排気音)を抑えることもマフラーの重要な役割の1つです。マフラー内部の消音剤(グラスウールなど)や仕切りによって音圧を下げています。

マフラーの保安基準

マフラーの役割について紹介しましたが、中にはドレスアップのために交換する方もいるでしょう。しかし、保安基準を満たしていないと車検に通りません。

そこでここからは、音量・取り付ける位置・触媒の観点から、マフラーの保安基準について解説します。

音量

保安基準では、音量について次のように定められています。

・2010年4月1日以降に生産されたクルマ

普通乗用車:96dB、軽自動車:97dB以下

・2010年3月31日までに生産されたクルマ

96〜103dB以下

車検では、マフラーの排気ガスが出るところに測定器を置いて計測します。マフラーは消音器のため、騒音とならない音量に排気音を抑えなければなりません。音量の目安として、電車が通る時のガード下が100dBですが、こうした騒音よりもうるさくならないように基準が定められています

また、2018年からマフラー騒音規制の制度が見直されました。純正品以外のマフラーを交換する際には、車検に記載されている近接排気騒音にプラスして、5dB以下でなければなりません。

取り付ける位置

取り付ける位置の基準は、以下の通りです。

・車両の最低地上高は9cm以上確保されていなければならない(1999年1月1日以降に生産されたクルマ)

※最低地上高=地面から車体の最も低い場所までの距離・フロアラインから10mm以上突き出してはいけない

ただし、排気管の端部に丸みがついた2.5mm以上の曲率半径を有していれば、10mmを超えても問題ありません。

・マフラーの先が尖っているとNG

尖ったパーツなど危険が伴う装飾・鋭い突起物等の装着は禁止されています。

触媒

触媒は、排気ガス浄化装置であるため、そもそも装着されていない場合は車検に通りません。クルマが有害物質を排出し続ける状態になってしまうため、触媒は取り外さないようにしましょう。

車検を通過するための対処法

マフラーの保安基準について紹介しました。ここからは基準に適合させるために対処法を解説します。

純正品のマフラーを選ぶ

純正のマフラーを選ぶことで、車検に通りやすくなります。社外品であっても、車検対応品のものを選べば問題ない可能性もありますが、純正品のマフラーを選ぶ方がリスクは低いです。また、社外品のマフラーに換えていて、純正品に取り替える時、中古車市場などでも安く出回っているので、コストを抑えて入手できるというメリットもあります。

JASMA認定品のマフラーを選ぶ

JASMA認定品のマフラーは、国が定めている保安基準よりも厳しい基準をクリアしたスポーツマフラーです。加盟メーカーから申請された製品の保安基準が適合しているかどうかのテストを行っているため、安心して利用できるスポーツマフラーといえます。

インナーサイレンサーを装着する

社外品のマフラーを装着すると、音量が保安基準を超えてしまうかもしれません。インナーサイレンサーを装着すると、排気音の音量を抑えられます。そのため、社外品のマフラーにしている時はインナーサイレンサーの装着を検討しましょう。

装着時には次の点に注意しましょう。

・固定方法:溶接、リベット(接合させる部品)などでしっかり固定する

・取付位置:マフラー出口面からはみ出さないようにする

また、インナーサイレンサーを装着すると、排気効率が落ちてしまう可能性があるため、整備工場などで相談した上で検討しましょう。ただし、2010年4月1日以降に生産されたクルマは、インナーサイレンサーの取り付けが禁止されています。そのため、装着する時は2010年3月31日以前に生産されたクルマであるか確認してください。

構造変更を申請する

構造変更を申請すると、マフラーが飛び出していても車検に通せる可能性があります。車検証や交換したマフラーの車検対応証明書など、必要書類を揃えたうえで申請しましょう。

書類のみで変更が済むケースもありますが、場合によってはクルマを持ち込まなければなりません。適合が認証されれば手続きは完了です。

車検前にマフラーのここをチェックしよう!

基準に適合するマフラーでも、状態によっては車検に通らない場合があります。

ここからは、車検前にチェックしておきたいポイントを解説します。

穴があいていないか

マフラーに穴があいていると車検に通りません。錆びついてしまったりマフラーを擦ってしまうと穴があく原因になりやすいので、気をつけましょう。

万が一穴があくと、排気音が大きくなってしまうほか、排気漏れが起こる可能性もあります。アルミテープやパテで応急処置できますが、DIYで完結させずに整備工場に持ち込んで、しっかりと修理を依頼しましょう。

異音が発生していないか

マフラーから異音が発生している場合も、車検に通らないケースが多いといわれています。異音の主な原因は次の通りです。

・サイレンサーのパイプが外れている

・触媒が損傷している

・異物が排気管内にある

・遮熱板が振動している

・マフラーハンガーの劣化

さまざまな要因が考えられるため、自分で原因を突き止めるのは難しいでしょう。そのため、整備工場に持ち込んで点検してもらうのがおすすめです。または、新しいマフラーに交換することを検討してもよいかもしれません。

白煙が出ていないか

マフラーから白煙が上がっている場合、状況によっては注意しなくてはいけません。寒い日などは特に、クルマを走らせたばかりだと排気ガスが白くなりますが、水蒸気が外気に触れて白くなっているため、時間が経つと消えます。しかし、時間が経っても消えない場合は故障を疑いましょう。

異臭があったり、白い煙がなかなか消えなかったりする場合は、エンジンオイルによるトラブルが起きているか、エンジン自体にトラブルが起きている可能性が高いです。危険な状態のため、整備工場で修理を依頼しましょう。

また、定期的なエンジンオイル交換は故障の防止に効果的です。日頃から正しく点検・整備を行いましょう。

【まとめ】車検前にマフラーの状態を万全に!

マフラーにも保安基準が定められており、状態によっては純正品でも車検に通らないかもしれません。破損や異変に気づいた場合は、なるべく早めに整備工場に持ち込んで、修理を依頼しましょう。




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[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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