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密接な関係にある車検と最低地上高。あなたの愛車は大丈夫?

投稿日:2021/04/20

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皆さんは自動車の車高について気にしたことはありますか?車検では「最低地上高」に規定があります。今回は「最低地上高」について紹介しながら、車検に通る車高についてお伝えしていきます。皆さんのお車の車高は大丈夫でしょうか?

「最低地上高」とは

最低地上高とは、保安基準で定められている車体の最も低い所から地面までの垂直距離のことです。この「最低地上高」より低いと安全な走行を妨げてしまう可能性や、道路の凹凸などによって取り付けた部品やパーツが損傷する可能性がありとても危険です。 最低地上高を守らないことで生じる不具合はいずれ事故に繋がってしまう恐れがあるので、しっかり守りましょう。

車高を下げるメリット・デメリット

車高を下げるメリットは、自動車の見た目が良くなることや重心を下げることでグリップ力を高め走行性能が上がることです。車高が下がると車両重心が低くなるのでコーナリング中の安定感が増し、そのことによって走りを楽しめるのでドライブが好きな人にしてみたら魅力的で嬉しい利点です。車がカッコよくなり、走りまでカッコよくなったら運転することがますます楽しくなりますね。

反対に車高を下げることでデメリットも生じます。新車状態よりも低くするとどこでも走れる状態ではなくなるため、道路上で突起物に引っかかってしまったり自動車の底や取り付けているパーツを引きずり損傷したりする可能性があります。公道で走行するために必要な「最低地上高」を守らないとこういった弊害が起こります。

保安基準の「最低地上高」は9cm?

保安基準で定められている最低地上高は9cmです。この最低地上高を守らないと先ほど述べたデメリットが生じます。当然ながら保安基準で定められている車高よりも下がっている場合、車検には通りません。車検ではどのように検査するのでしょうか。

<測定条件>

①空車状態(人や物などが乗っていない状態)

②タイヤの空気圧を規定値にする

③車高調整装置が装着している自動車は、標準(中立)の位置で測定

※車高を任意の位置に保持できる車高調整装置している自動車は、車高が最低となる位置と車高が最高となる位置の中間の位置で測定

④舗装された平面で測定

⑤巻き尺などを用いて測定し、1cm未満は切り捨てcm単位とする

上記の計測条件で、最低地上高を測定します。また、仮に車高が大丈夫だったとしても、灯火類の位置が保安基準で定められている位置にない場合は車検に通りません。

<灯火類の装着位置>

①ウィンカーランプ、ブレーキランプ、テールランプ:地上から35cm以上

②フォグランプ、リフレクター:地上から25cm以上

※規定値は車両の大きさ等によって変わります。

上記のように灯火類が規定よりも低い場合は車検が通りません。車高だけに着目していると他の保安基準に不適合となってしまうなど、事故などに繋がる恐れがあります。その点からも色んな角度で保安基準で定められている状態であるか確認することが大切です。

「最低地上高」に含まれない例外のパーツ

ただし最低地上高に含まれないパーツがあります。それは一定条件で地上高が5cm以上であれば車検に通ります。

<最低地上高5cmの基準が適用される例>

・エアロパーツ(樹脂製かつウィンカーやフォグランプなどが埋め込まれていない場合)

・タイヤと連動するブレーキ・ドラムの下端

・緩衝装置:ロア・アーム等の下

・自由度を有するゴム製の部品(マッド・ガード、エアダム・スカート、エア・カット・フラップ等)

つまり車高を下げなくても見た目がローダウンしているように見える装飾があることでカッコよく見えるようになるという方法です。しかし車高が下がっているわけではありませんが、エアロパーツなどが道路の凹凸に引っかかることがあるので注意が必要です。

「最低地上高」のセルフチェックする方法と注意すること

最低地上高はセルフチェックできます。ここではどこをチェックしたらいいのか、注意点などのポイントを紹介します。

<注意点>

①最低地上高に含まれるのは固定されたパーツです。

例)マフラー、サスペンションメンバーとボルト、デファレンシャルギア、デフケース、オイルパンなど

②大きな車は最低地上高の高さが変わります。

ホイールベース:300cm以上→最低地上高10cm以上、ホイールベース:350cm以上→最低地上高11cm以上

③オーバーハング(タイヤの中心から車両の先端、後端まで)の長さによって最低地上高が変わります。

73cm以上→最低地上高10cm以上、82cm以上→最低地上高11cm以上

④最も低い位置のパーツで計測します。

例)マフラー、オイルパン、デフケース、サスペンションメンバーなど

保安基準で、『自動車の接地部以外の部分が安全な運行を確保できるように地面との間に適当な間を有すること』と定められています。そのため最も低いパーツがその条件を満たされていないと車検に通らないことになります。また実用的に考えても最低地上高9cm以上を守ることをおすすめします。

保安基準など詳細を知らないと判断が難しいので、ご自身でチェックすることが難しいと思った時はぜひ整備工場でチェックしてもらいましょう。また相談することで整備工場の方から車を車検に適応させた改造方法のアドバイスがもらえるかもしれないのでおすすめです。

車検に不適合な状態である場合

最低地上高が車検に通らない状態である時は不適合箇所を元に戻しましょう。ご自身で改造されたのであれば作業は分かるかと思いますが、友人から譲ってもらったり前のオーナーが改造している場合などで車両で戻し方が分からない時はプロの手を借りましょう。信頼できる整備工場へ相談すれば、最善の方法を提案してくれるでしょう。

まとめ

「最低地上高は9cm」と定められていることについてご理解頂けましたでしょうか?車高を下げる事はメリットもありますが、デメリットもあります。最低地上高といっても保安基準で細かく規定が定められており、最低地上高に含まれないパーツもありますので、自身で計測する際は正しい計測方法で行うことが大切です。車高を下げると灯火類の位置も変わりますので、灯火類も保安基準に適合しているか確認しておきましょう。最低地上高が規定に合っていない場合は、車検を通すために車高を戻すということではなく、安全な走行をするために車高を見直すことをオススメします。愛車の車高が気になる方は、信頼できる整備工場で確認してもらいましょう。

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[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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