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車の水温が上がり過ぎる3つの原因およびリスクと対処方法!
投稿日:2020/05/08
今回は、車の水温が上昇し過ぎてしまう原因についてご紹介いたします。 皆さんは、車がオーバーヒートしてしまった経験はありますでしょうか。ボンネットから煙が上がってしまったり危険な状態になってしまったりする前に整備工場での定期的な点検をすることがオススメですが、もしオーバーヒートしてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。それでは具体的に、オーバーヒートするということがどういうことなのか、オーバーヒートした場合はどうすれば良いのか迫っていきたいと思います。
車の水温が上昇し過ぎるとはどういうこと?
車の水温が上昇し過ぎた結果、オーバーヒートに繋がってしまう可能性が考えられます。オーバーヒートというのは、冷却水が熱くなりすぎて沸騰した状態を言います。車についている水温計は、エンジンの内部で循環している冷却水の温度を示します。一般的な適正温度は70~90度であると言われます。沸点はラジエーターキャップの加圧性能によって120~130度になるのですが、100度を超えるととても危険です。
冷却水は水にロング・ライフ・クーラントという専用の液体が混ぜられたもので、この冷却水が熱くなりすぎて沸騰しすぎた状態がとても危険です。エンジンの内部ではシリンダー内でガソリンの爆発や燃焼が行われることでパワーを発生させているのですが、その際に発生したエンジンの熱を冷却水が吸収します。熱を吸収して高温となった冷却水は、ラジエーター内部を通過する際に走行風を受けたり、冷却ファンからの風によって冷却されることで熱が放出されています。
冷却液が何らかの原因で温度が規定温度よりも上昇し、エンジン内部の温度も急上昇してしまう状態が「オーバーヒート」と言います。 水温計が100度を超えると、エンジン内部にホットスポットが発生します。その結果、冷却水に泡が生じるようになります。これはキャビテーションと呼ばれる現象で、液体の流れの中で圧力差によって短時間に泡の発生や消滅が引き起こされてしまいます。こうなってしまうとエンジンから熱を取り除くことができなくなってしまい、オーバーヒートの状態を引き起こしてしまいます。
水温が異常に上昇した結果、水温計の針が上がって警告灯が点灯することや、エンジンルームから水蒸気が発生しボンネットから煙が出てくる場合がありますので、警告灯が表示されたり水温計が100度を超えたりしたら、すぐに走行を中止しましょう。オーバーヒートが引き起こされるとエンジンが損傷する可能性もあり、車の寿命が縮んでしまいます。
車の水温が上昇し過ぎてしまう原因は?
車の水温が上昇し過ぎてしまう原因と、それぞれの原因において水温の上昇を防ぐ方法についてご紹介いたします。
①冷却水が不足している可能性
冷却水の量はリザーブタンクで確認が出来ますが、規定量より不足していると冷却性能が大きく下がってしまいます。通常は冷却水が急に減ることはないので、冷却水が不足している場合はどこかで漏れてしまっている可能性があります。この場合は冷却水を補充し、すぐに漏れてくる箇所はないかを確認します。すぐに漏れてくる場合はエンジンをかけずにロードサービスを呼んで整備工場へ入庫してください。すぐに漏れてこない場合は水温計の動きに注意しながら整備工場まで移動し、冷却水を補充した量などをメカニックに伝えたうえで点検してもらうようにしましょう。
②エンジンオイルなど、潤滑システムの異常の可能性
エンジンオイルもエンジン冷却に大きな役割を担っています。エンジンオイル量不足や極端な汚れがあれば、水温異常の原因となります。エンジンオイルはエンジン内部を保護するだけでなく、水温を安定させる重要な役割があることも知っていただき、定期的なオイル交換を行うようにしてください。
冷却液やエンジンオイルなどが故障原因の場合は定期的にエンジンルームの点検を行い、冷却液がちゃんと入っていることや、エンジンオイルがしっかりと入っていることとオイルの状態を確認をすることで防ぐことができます。またご自身で確認することが難しい場合は、整備工場で点検をしてもらうと良いでしょう。
③冷却システムが故障している可能性
エンジンを冷やす冷却ファンの故障や、冷却液をエンジンの内部に循環させるウォーターポンプの故障や冷却水漏れなど、冷却システムの故障によって水温が上昇する場合があります。冷却システム故障の場合は、部品を交換したり修理したりすることで正常に戻すことができます。 故障箇所が複数考えられる時はすぐに原因を特定して対処することが難しいので、整備工場で隅々までチェックをしてもらうことがとても重要となります。
車の水温が異常に上昇することで生じる危険なこと
エンジンが高温になり過ぎるとエンジン自体が熱で歪んでしまい、そのまま戻らなくなる場合もあります。そうなるとエンジンパーツ同士が密閉できなくなり、冷却水やエンジンオイルが漏れて高額な修理が必要となる可能性が高くなります。オーバーヒートはエンジン損傷のリスクが高い故障でもあるので、水温が上がらないように気を付けることが重要です。オーバーヒートの状態で走行を続けると、エンジンが完全に破損する可能性がありとても危険です。
エンジンの温度が上昇すると、エンジンオイル温度も上昇してしまいます。 エンジンは金属部品で構成されているため、内部のピストンなどが動く際にかなりの摩擦が起きます。その摩擦を軽減させる役割がエンジンオイルですが、このオイルが高温にさらされると潤滑性がなくなってしまいます。その結果、部品の摩耗や損傷が起こってしまい、エンジンが壊れる原因となってしまいます。
車の水温が上昇したらどうしたらいい?
ボンネットから煙があがり、水温計の針が適温から上がってしまった状態であれば、すぐに車を安全な場所に停車させることが大事です。
オーバーヒートした場合は、水温が上昇した状況によって対処方法が異なりますので、次の点について確認をしましょう。
①エンジンを切らない状態での水温計の針の動き方
停車させたアイドリング状態で水温計が下がるのか、逆に上がってしまうのかを確認してください。水温計が下がるようならしばらくアイドリング状態で様子を見ていただき、逆に上がってしまうようならエンジンをすぐに停止してください。アイドリングで水温計が下がり正常な位置まで戻るようなら、近距離なら走行可能となる場合があります。しかしまたオーバーヒートする可能性が高いので、緊急的な移動以外は走行しない方が良いでしょう。水温計が上がる場合はエンジンをかけないようにし、水温計が下がる場合でも無理をせずロードサービスを呼んで整備工場で点検修理してもらう事をオススメします。
②冷却水の残量
冷却水が不足している場合は水(水道水)を代用することが可能ですが、緊急時以外はやめましょう。冷却水に含まれるロング・ライフ・クーラントの成分にはエンジン内部を錆びさせないようにする防錆効果があるのですが水道水や水には含まれていないため、水だけを入れたままにしておくとエンジン内部に錆びが発生し、エンジン内部の環境が悪化する恐れがあるのでオススメしません。
③冷却ファンの確認
ラジエーターにある冷却ファンが正常に回っていない場合は冷却ファン系統が故障している状態なので、エンジンを停止させ自然冷却をさせることが重要となります。作動しない冷却ファンは整備工場で点検修理を行うことが必要です。
オーバーヒート時の対処法として、他にはボンネットを開けて冷やす事やラジエーターに水をかけて冷やす方法などもあります。ここで注意する事は、オーバーヒートしている時にラジエーターキャップを開けないようにすることです。水温が上がってしまったラジエーターは内部の圧力が高まっている為、熱湯が吹き出し大変危険なので絶対に開けないでください。
水温が上昇しないようにする方法として、ラジエーターの冷却水とエンジンオイルのチェックを定期的に行うことが大切です。定期的に点検をしておくことで不具合の起きている状態を早期に見つけることが可能となりますし、問題ない事を確認しておくことで安心して運転することができます。整備工場での定期点検なら必要箇所を点検してくれるのでオススメです。ご自身で点検をすることも大切な日頃のケアですが、より確実的な点検はプロにお任せしましょう。
まとめ
車の水温が異常に上昇した時はどのように対処したら良いのか参考になりましたでしょうか。 実際に水温が異常に上昇し、オーバーヒートの状態になってしまった場合は早めの対応が必要となります。 対処方法を予め覚えておいて対応をすることや、整備工場の方に定期点検をしてもらい、オーバーヒートするような状態にならないようにしておくことがとても大切です。
[Dr.輸入車ドットコム編集部]