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ポルシェはエンジンオイル量の点検も他とは違う!? ~ポルシェ911のエンジンオイル交換と量の点検方法~

投稿日:2020/04/17

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自動車に詳しい方もそうでない方も、自動車整備工場へ依頼する作業といえばエンジンオイル交換を一番に思い浮かべるのではないでしょうか。 確かにご依頼いただく中では、エンジンオイル交換が一番多い作業になります。 それだけ重要で定期的に行わなければならない事を多くの方が知っておられるという事ですね。

この整備事例ではポルシェ911のエンジンオイル交換作業の紹介と、エンジンオイルについてお伝えします。

エンジンオイル交換してますか?

この記事を見ていただいている皆さまは定期的にエンジンオイル交換を行っていますか?そう言われてみれば前回のエンジンオイル交換はいつだったかな・・・という方もおられるかもしれません。 エンジンオイルは一般的に5,000kmを目安に交換しますが、昨今は輸入車を中心にロングライフオイルというオイルが増えてきているので、5,000km以上走行してもまだ交換しなくても良い場合もあります。

ロングライフエンジンオイルの交換目安は?

輸入車メーカーからはロングライフエンジンオイルは20,000kmや30,000kmで交換と指定されている場合がありますが、これは輸入車メーカーの国で使用した場合と思ってください。ヨーロッパなどでは温暖な気候の中を巡航して長距離走行するなど、車にとって快適な環境で走行する事が多いのですが、日本では高温多湿の環境の中でストップアンドゴーを繰り返したり渋滞が多くあったりと、自動車にとって非常に過酷な環境となります。

そうなるとエンジンオイルにも負担が多くかかり、オイル性能が劣化して20,000kmや30,000kmも性能を保つことが難しくなります。 実際に整備をしていると、30,000kmごとにエンジンオイル交換している車両では、エンジンオイルの劣化が原因のトラブルや著しいスラッジが発生してトラブルに繋がりかねない状況のエンジンも見かけます。 ですのでロングライフオイルでも10,000kmを目安に交換する事がベストではないでしょうか。

エンジンオイルの大事な役目

エンジンオイルは車にとっては人間の血液と同じくらい大事なものです。エンジンオイルはエンジン内部の潤滑、密封、冷却、洗浄、防錆という大事な役目を担っています。しかし人間の血液と違って、汚れて性能が劣化してしまいますので定期的な交換が必要となるのです。

オイルは車両ごとに適合するグレードや粘度が定められていますので、長期的に本来のエンジン性能を保つためにも整備工場に交換をお願いしたり相談することをおすすめします。

エンジンオイルの点検方法

ユーザーの皆さまがエンジンオイルを点検する方法として、オイルレベルゲージを使って汚れ具合や量を確認することができます。免許を取得する時に自動車教習所で点検方法を教えてもらった記憶があるかもしれませんね。 しかし車種によってはエンジンオイルレベルゲージが無い場合もあるのです。この場合はメーターパネルや車両モニターで確認する必要があります。しかし、この方法では量の確認はできますが汚れ具合は点検できないので、走行距離ごとに定期的なオイル交換をすることでエンジンの状態を保つことが可能になります。

ポルシェ911のエンジンオイル交換をご紹介

ここからはエンジンオイル交換作業をご紹介します。 車両はポルシェ911の996モデルで、3.6リッターエンジン搭載のカレラです。 このエンジンは通常のエンジンオイル作業と同じく、エンジンオイルパンのドレンボルトを外してオイルを抜き取ります。 今回は同時にエンジンオイルフィルターも交換します。エンジンオイルフィルターはフィルターカバーを取り外して中にあるフィルターのみ交換するタイプですね。

抜き取り後はドレンボルトを規定トルクの50Nmで締め付けて、エンジンルーム内にある注入口から新しいエンジンオイルを注入します。 エンジンオイルフィルターも交換したので、この3.6リッターエンジンには8.3リッターのエンジンオイルを注入します。一般的なエンジンと比べると2倍近い量のオイルが入ります。

交換後はエンジンを始動してドレンボルトからのオイル漏れがないかなどをチェックして完了となりますが、このエンジンは先ほどお話したエンジンオイルレベルゲージが無い車両となります。オイル量の確認はメーターパネルで行うのですが、ポルシェは少し時間がかかります。

ポルシェならではのエンジンオイル量点検方法

ポルシェの場合はエンジンオイル温度を上げなければ量を測定することが出来ず、規定温度に達していない状態だとメーターに点検画面が表示されません。そのためしばらくアイドリングしておくか、走行してエンジンオイル温度を上げる必要があります。規定温度に達した後にエンジンを停止し、イグニッションONの状態で画面操作を行うとこのような画面が表示され、点検のカウントダウンが始まります。

カウントダウンが終われば確認画面が表示され、やっと量の確認ができるようになります。

しっかりMAXレベルに収まっているのでOKですね。少しでも多ければNGです。作業のポイントとしては可能な限りオイルをしっかりと抜き、注入量は規定量よりも若干少なめに入れるとちょうど良い量を表示してくれます。

通常だとすぐに終わるエンジンオイル交換も、ポルシェの場合はこのような作業が必要となり通常よりも作業時間が多くかかるのです。ポルシェの中でもパナメーラは特に時間がかかり、交換後に10kmほど走行しないと点検画面が表示されず、しかも10km走行してもボンネットを一度開けるとまたリセットとなり、また10kmほど走らないとオイル量点検画面が表示されません。そしてドライサンプのエンジンはエンジンを始動した状態でオイル量を点検することも作業のポイントになります。このようにポルシェはエンジンオイル点検に時間がかかりますが、それだけエンジンオイルの管理を徹底しているという事ですね。

エンジンオイルは減るもの?

輸入車は特にエンジンオイルの消費も多く、通常に使用していてもオイルが減ります。5,000km走行で1リッターくらいの減りなら異常ではありませんので、エンジンオイルレベルの警告が出れば補充することで問題ありません。 しかし頻繁にエンジンオイルレベルが減るようなら、オイル漏れなどがないか整備工場で点検する事をおすすめします。

まとめ

エンジンオイルは交換したら快調になる!といったものではありませんが、ドライバーが体感出来なくてもエンジンは喜んでいるはずです。そして交換しないデメリットは非常に大きく、エンジンオイルメンテナンス不良でのエンジントラブルは高額修理に直結します。 エンジンオイルは定期的に交換する事が大事なことと、特に輸入車は交換方法や点検方法が特殊な車両も多いので、輸入車のエンジンオイル交換も信頼できる輸入車整備工場へお願いしましょう。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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