Dr.輸入車ドットコム Dr.輸入車ドットコム

インフォメーション

整備

もしも急に車がエンストしたら?様々なエンストパターンと対処法をご紹介

投稿日:2020/01/31

メインの画像

車を運転していて、急にエンジンが止まるエンストはドライバーにとって冷や汗ものです。マニュアル車ならクラッチ操作のミスでついうっかりという事もありますが、オートマでも起こることがあります。マニュアル車とオートマ車では、エンストの原因は違うと思うのですが、それはいったいどんな原因なのでしょうか?そこで今回は、エンストの原因とその対処法、そして故障の場合における修理について紹介してみたいと思います。

そもそもエンストとは?

車におけるエンスト「エンジンストール(Engine Stall)」とは、意図的にエンジンを停止させるのではなく、停車時・発進時、あるいは走行中にもエンジンが停止状態になり、そのため駆動力がなくなり走行できなくなることを指します。この記事では、そんなエンストが発生する原因やその場合の対処方法を、マニュアル車とオートマ車に分けて解説していきます。

マニュアル車がエンストする場合

マニュアル車には乗らない、そもそもオートマ免許だという人は、次の「オートマ車がエンストする場合」の項までサラッと読み飛ばしてください。

操作ミスによるエンスト

マニュアル車に乗っている人はご存じかと思いますが、エンストは珍しいことではありません。マニュアル車の場合のエンストの原因は、クラッチ操作によるミスが最も多く、どんなに慣れている人でもついうっかりという事があります。エンストすると運転していても不快であるだけでなく、坂道発進の場合は、後ろの車にぶつかってしまう危険も伴います。

マニュアル車は、タイミング良くクラッチを繋げないと、簡単にエンストしてしまいます。特にエンストが起こりやすいのが発進時で、回転数の少ない状態でクラッチをつなげることでエンストを起こします。また、それと連動して、ギアの選択ミスでエンストすることもあります。1速ではなく、2速発進などを日常的に行っていると、登坂だったり、乗車人数や積載量が多い場合に起きてしまいます。他に、ギヤを間違えて3速などに入れてしまうミスも考えられます。

そのように、クラッチ操作とギヤの選択ミスが主な原因なので、マニュアル車でエンストを防ぐためには、アイドリング状態だけではなく、アクセルを踏んでエンジンの回転数を上げ、回転数がしっかり上がったことをメーターやエンジン音で確認してからクラッチをつなぐことが重要になります。特に乗り慣れていない車の場合や、最新モデルで静粛性が高くてエンジン音が聞き取りにくい車種の場合は、慣れるまではメーターで確認するほうが良いでしょう。

AT車ではこの面倒な作業を自動的に行ってくれるのですが、MT車ではドライバーが全ての操作を手と足で行なって車を動かさなければなりません。

車の異常や故障が原因である場合

操作ミスがマニュアル車のエンストの主な原因ですが、信号待ちなどで停車中のアイドリング状態でもエンストする場合があります。エンジンの回転数が一定せず上がったり下がったりしたり、普段より低くなってしまって、いわゆるアイドリング状態が保てなくなり、停止中や減速時にアクセルペダルから足を離すとエンストしてしまう事があります。上記のようなアイドリング中のエンストは、トラブル、整備不良が原因である可能性があります。

なお、エンジン本体の故障の場合は修理費用も高額になりがちですが、エンジンが止まってもすぐに再始動できるようなら、オイルの量不足や劣化、プラグの劣化、エアクリーナーや燃料フィルターの詰まりなどが考えられ、この場合はそれほど多くの出費にはなりません。しかし、各種センサーの異常などは原因解明に時間がかかることもありますので、整備工場で早急に見てもらいましょう。

オートマ車がエンストする場合

オートマ車であってもエンストすることがあり、マニュアル車より厄介なことになる場合も多くなります。オートマ車のエンストの原因も、操作ミスとエンジンなどの故障です。

坂道でのATのエンストとは?

オートマ車でもエンストする原因のひとつが、マニュアル車と同じく坂道発進です。マニュアル車と違って、Ðレンジに入れておけば緩いのぼり坂ならクリープ現象で前進する力が発生するので、ブレーキペダルでコントロールすることが出来ます。これはオートマ車の持つ運転が楽になる特徴であります。しかし、ある程度の勾配を境に、クリープだけでは前進できず、停止状態もキープできなくなります。そうなると進行方向と逆向きの方向に進もうとすることになり、エンジンのトルクが足りなくなりエンストしてしまうことがあります。

そんなことはまずないだろうと思われがちですが、現在発売されているAT車の多くに、ブレーキから足を離しても1秒ほど停止状態を保つことが出来る機能である「ヒルスタートアシスト(メーカーによって呼び名は異なります)」が装備されているのを見ても、安全対策と同時にエンストを防ぐことになっています。

プッシュボタンスタートが原因

乗り慣れないプッシュボタンスタート式の車では操作を誤り、エンストすることがあります。ボタン操作ミスでのエンストになりますが、エンジンがまだ始動していない内にエンジンがかかったと思いプッシュをやめることが原因で、新しい車種は静粛性が高く、エンジンの音がわかりにくいので起こりがちです。

走行中のエンスト時にすべき対処法

オートマ車のエンストは滅多にないので、エンストした時には慌ててしまうこともあります。しかも、エンストすれば、パワーステアリングやブレーキ倍増装置の制御ができなくなってしまうために、ハンドルやブレーキが重く操作がしづらくなるのでなおさらです。 また、エンストした車両を路上にそのまま放置すると、他の車にとって大変迷惑ですし、渋滞や交通事故の原因になるので、ロードサービスを手配するなど適切に対処しなければなりません。

エンストしたらまず停車

駐車場などなら問題はありませんが、走行中にエンストする場合は対処が遅れかねません。走行中にエンストした時には安全な場所への停車が再優先です。マニュアル車でもオートマ車であっても、ギアをニュートラルにしてハザードランプも点滅させて、周りの車に停車しようとしていることを知らせます。また、エンストするとブレーキの効きが悪くなっているので、移動する際はブレーキペダルを思いっきり踏み込んで車を停車させることが必要となります。そして、車が止まったらサイドブレーキをかけて車を安全に停止させます。

再びエンジンをかける時にはPの状態からエンジンをかけます。道路の途中で車を停車させてしまって、エンジンがどうしてもかからない場に合は、ギアをNに入れ車を押して安全な場所まで移動させることが必要になります。無理をせず、周りの人に助けてもらう事も必要となるでしょう。

まとめ

オートマ車の比率が高い現在、エンストということは少なくなっています。しかし、完全になくなっているわけではありません。停車時にエンジンをストップさせる機能がある車も多くなりましたが、エンジンがその後再始動しないというケースも考えられます。少しでもエンストの危険を回避するためには、新しい車も古い車もちょっとした異変を感じたら、早めにお近くの信頼できる整備工場で診てもらいましょう。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

車検・点検修理の依頼はこちら

おすすめ記事