Dr.輸入車ドットコム Dr.輸入車ドットコム

インフォメーション

整備

ヘッドライトの種類ってどんなものがあるの?役割も含めて理解しておきましょう!

投稿日:2019/10/25

メインの画像

ヘッドライトには現在、「ハロゲン」「HID」「LED」という3種類のタイプがあり、様々なタイプや年式の車に採用されています。そしてそれぞれに特徴があります。そこで、この3種類のヘッドライトにはどのような違いがあるのかを解説したいと思います。ところで貴方の愛車のヘッドランプがどのタイプか知っていますか?

ヘッドライトの役割

ヘッドライトの役割といえば、夜間に走行時に前方を照らすことでドライバーの視界を確保し、安全に運転できるようにすることです。ただ光らせるだけではなく、遠い場所を照らすことで進行方向の道路状況と安全を確認することが必要です。同時に、ドライバーに近い場所を照らし、直前の安全を確保するとともに、歩行者や対向車に自らの存在を知らせることも大切な役割になります。そのためにはより明るく、広い範囲を照らすことが重要となります。

また、ヘッドライトはそのような夜間雄安全走行に必要な機能だけではなく、車のデザインを決めるみあたって重要なポイントとなっています。車の先端にあるために、車の表情を決定付ける重要なアイテムとなるのです。

ヘッドライトのもうひとつの役割

ヘッドライトと言えば丸いものというのは随分と昔の話で、光量を維持するために丸型でむき出しという法律による縛りがあったのですが、その後、技術も進歩し、角形のヘッドライトが許されるようになるとフロントグリルのデザインの幅も広がり、顔の表情も大きく変わってきました。近年では、車のフロントグリル、バンパー、ボンネット、フェンダーなどのデザインと一体化させ、カバーが付くようになると、立体的なデザインのヘッドライトが主流になり、今ではデザイン上の選択で丸目にする以外はほとんどの車種が異形のデザインとなり、切れ長や縦長などボディと一体化されたものになっています。

ヘッドライトの種類

そして、ヘッドライトの形状の変化に大きく影響しているのが、ヘッドライト自体の変化です。用いられる光源も、より明るく、電力消費の少ないものへと進化して、現在は「ハロゲン」「HID」「LED」の3種類に大きく分けられています。では、それぞれの特徴及び、メリットやデメリットをご紹介します。最新のLEDであってもメリットだけではないのです。

ハロゲン

ハロゲンヘッドライトは、電球の中にハロゲンガス(ヨウ素、フッ素、塩素、臭素など)を封入し、フィラメントを用いて発光させるシンプルな仕組みとなっています。価格が安いことから広く普及し、現在でも多くの車種に採用されているもっとも一般的なヘッドライトと言えます。淡い暖色系の光で、対向車にも優しいのが特徴ですが、明るさでは、HIDやLEDに劣り、さらに発熱量と消費電力が多いために寿命が短いのがデメリットとなります。寿命は800時間程度で、HIDの3分の1、LEDの30~40分の一と言われています。

ただし、ハロゲンライトは低価格以外にもメリットはあります。それは、雨や霧のときの視認性は比較的優れていて、発熱量が大きいため雪国ではヘッドライトに付着した雪を溶かしてくれるということがあります。寿命が短いので、消耗品として交換が前提と考えて、電球の交換の工賃も安く自分でも比較的簡単に交換できます。汎用のスペアも多くあり常にスペアを積んでおくのもいいかもしれません。

HID

メーカーによって、HIDヘッドランプ、キセノンヘッドランプ、ディスチャージヘッドライトなど、呼び方はさまざまですが、ここではHIDランプとしてご紹介します。HIDライトは、1990年代に実用化され、平成になって普及したシステムで、フィラメントを使わず、狭い電極間のアーク放電を利用して発光させます。フィラメントがないため球切れの心配がないのが特徴です。

メリットとしては、非常に明るいことで、LEDより明るく、少し青みがかった色味となります。ハロゲンと比べてみると、「光束(こうそく)」と呼ぶ光の総量が3倍以上にもなり、しかも消費電力が35W~55W と省電力なので平均寿命も3倍近く伸びています。また光のカラーのバリエーションが多いのもメリットと言えるでしょう。

デメリットとしては、点灯してから十分な光量となるまで5秒~10秒ぐらいかかることです。またバラストなど構成部品が多く、価格的にも、LEDより高価になります。そして取り付け交換には専門的知識が必要になることがあります。

LED

LEDは小さなチップが発光する仕組みです。複数のチップを並べて発光させるので、ヘッドライトを設計する際のデザインに自由度があること、また、消費電力が低いことが特長です。

LEDは小さなチップが発光する発光ダイオードを使ったライトで、10年ほど前から普及しはじめ、今では多くの車種に採用されています。発熱もほとんどなく構造もシンプルで、消費電力の少なさから、寿命は30000時間(15年)といわれ、HIDやハロゲンよりも桁違いに長く、愛車の寿命が尽きるまで無交換ですむほどの圧倒的な長寿命が最大のメリットです。また、比較的安価で、点灯速度も早く、最大光量が即座に得られるのもLEDの特徴です。

デメリットは、明るさはHIDの方がやや有利なことや発熱しないために雪などが付いても解けないこと。そして、車種専用に開発されることが多く、交換用の汎用品では純正品よりもその機能が十分に発揮できないことがあげられます。しかし、今後はLEDランプが主流になっていくのは確かだと思われます。

ヘッドライトの今後

ハロゲンヘッドライトやHIDヘッドライトは、技術的には古く、画期的な進歩は期待できません。どちらかというとヘッドライトとしてよりも、フォグランプやボディカラーとのコーディネートを楽しめるライトなど機能を活かした可能性が残されています。

一方、LEDは、さらに高輝度化や省電力化の可能性を残しており、今後も広い車種において普及される傾向があります。特に、EV(電気自動車)やハイブリッド車の増加にともない、省電力ヘッドライトであるLEDヘッドライトの採用が必須となり、自動用車ヘッドライトの主流になる可能性があります。

次世代のヘッドライト

レーザーヘッドライト

「レーザーヘッドライト」は、次世代の光源として単位面積当たりの明るさがLEDよりも大きく、ヘッドライトの小型化や遠方への光の照射を可能とすると期待されているレーザー光を利用するヘッドライトで、現行モデルへの採用も進みつつあります。

すでに、アウディジャパンが2018年に発売したフラグシップセダン「アウディA8」は、レーザー光源をランプに採用しています。一般的なハイビームの2倍の照射距離を持つレーザーヘッドランプは、高度な配光制御を行うLEDヘッドランプと組み合わせることでより広い視野を確保しています。レーザーヘッドランプの作動条件は、街灯が少ない欧州の郊外やアウトバーンを想定して開発されたため日本国内ではめったに点灯しないかもしれないというほどの照射距離となっています。

デジタルマイクロミラーデバイス

新しいLEDヘッドライトとしては、大型プロジェクターなどに採用されている「デジタルマイクロミラーデバイス」があります。前方車両や対向車両に合わせて消灯することが可能になったり、歩行者に道を譲る意思を示したり、運転に必要な情報を路面に投影したりすることもできるとしています。

ヘッドライトのまとめ

現在もっとも理想的なヘッドライトはLEDヘッドライトであり、LED制御技術の進化によって多くの可能性を秘めています。また、レーザーヘッドライトも実用化されていることからさらに注目されるでしょう。これらの新しい光源はまだコストが高く普及しないとの見方がある一方、欧州車をはじめとするプレミアムブランドでは、他車との差別化を図るためにコストがかかっても次々に導入する傾向にあります。

現実に目を向けると、まだハロゲンやHIDであっても十分に使用可能であり、LEDランプを採用しているクルマならば、そのまま使い続ければ問題ありませんが、ハロゲンヘッドライトをもっと明るいものに変えたいと思ったらHIDランプにすることも考えていいでしょう。また、 HIDランプが採用されているならメリットも多いのでLED化する必要はないでしょう。 技術と共に進化を続けるヘッドライトがこの先どのように変化していくのか楽しみですね。

[Dr.輸入車ドットコム]

車検・点検修理の依頼はこちら

おすすめ記事