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輸入車整備事例

輸入車の車検は国産車とはどう違うの?

投稿日:2019/09/06

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乗用車ですと新車から3年、その後は2年ごとに行う「車検」。 法令で定められているので受けなければならないという事もありますが、愛車をじっくりと点検できる貴重な機会でもあります。

「車検」という言葉はよく聞くし、受けなければならないという事も知っているけど、どんな所を点検するかまでは知らないという方が大半ではないでしょうか。 しかも輸入車って国産車より点検費用がかかるけど特別な作業をしているの?という疑問を持っている輸入車ユーザーの方も多いかもしれません。 国産車と変わらない部分もあれば、その疑問の通り、輸入車の車検は特別な作業があります。

そこで「輸入車の車検作業」について知っていただきたいと思います。

「車検」とは自動車が安全に走行できるか、公害を発生させていないか等をチェックする国で定められた検査です。 自動車ユーザーとして必ず受けなければならない義務でもあります。 それでは整備工場での車検作業を見ていきましょう。

LEDランプの採用が多い輸入車

先ずは車の外装からチェックします。 ヘッドランプやブレーキランプがすべて点灯しているか、割れたり破損していないか、色に問題がないか等、灯火類を点検します。 輸入車ではLEDを採用しているランプが多く、非常にデザイン性も高くて明るいため安全性が高いことが特徴です。輸入車はお洒落!と言われる部分でもありますね。

LEDなので長寿命がメリットですが、万が一電球が切れた場合はその部分だけを交換する事ができない構造となっているため、ランプごと交換しなければならなくなり部品代が高額となってしまう事がデメリットでもあります。

車検では一部分でも点灯していなければ適合とならないですし、日常の安全走行のためにも普段からランプ類も点検しておくことをおすすめいたします。 輸入車にはバックフォグランプが装備されている車種が多く、バックランプは1個だけしか点灯しない車種もあるので車種ごとの特徴を知っておくことも輸入車の車検には大切な事となります。

その他は安全に支障をきたすものが取り付けられていないか、ガラスが割れていないか、タイヤやホイールが基準値以上にはみ出していないか等を確認します。

ウィークポイントも抑えた点検

次にエンジンルーム内を点検します。 オイル漏れや冷却水漏れが無いか、ドライブベルトやエアーダクトに損傷が無いか、エンジンマウントに亀裂が無いかなどをプロの目で確認します。 エアーフィルターの点検、専用の機器や工具を使用してバッテリーやスパークプラグの状態なども点検します。

そしてエンジンオイルやATFなどの油脂類もしっかり確認し、走行距離や使用環境に合わせて交換が必要であればメカニックから交換の提案があるでしょう。 輸入車は車種や年式ごとにウィークポイントがありますので、輸入車を取り扱う整備工場ならそのようなポイントも抑えた点検を行っています。

専用機器がなければ車検作業も出来ない?

次に重要部品でもあるブレーキを点検します。 ブレーキの重要性は国産車も輸入車も変わりません。 しかし輸入車ならではのポイントがあり、輸入車はブレーキパッドだけではなくブレーキローターも摩耗しながらより制動力を上げる造りになっていますので、ブレーキローターの摩耗具合もしっかり計測して確認します。 国産車ではブレーキローターを交換する機会は少ないのですが、輸入車をよく取り扱う整備工場では当たり前の作業でもあり、ココの部分を把握しているかどうかが輸入車整備のポイントのひとつになります。

ブレーキについてはもうひとつあり、近年は後ブレーキが電子制御になっている車種が増えてきました。これは車体安定性を向上させるシステムで非常に安全に繋がり、輸入車では多くのメーカー、車種に採用されています。 この電子制御ブレーキは、整備をする時には輸入車に対応したスキャンツールが必要となり、対応するスキャンツールが無ければブレーキパッドの点検や交換も出来ません。 今や通常作業で交換出来ていたブレーキパッドでさえも輸入車専用機器が無ければ作業が出来なくなっており、スキャンツールなどの専用機器がなければ車検作業も出来ない時代になっています。

輸入車の車検や整備を依頼する時は、このような機器があるかどうかという事も整備工場選びのポイントになります。

造り方に対する考え方の違いも

次に足回りと呼ばれるサスペンション類を点検です。 サスペンションは可動部が多いため、消耗箇所も非常に多くなります。輸入車は国産車に比べてブッシュと呼ばれるゴム製部品が摩耗しやすく、定期的に点検交換してあげなければなりません。これは輸入車のパーツ品質が悪いからという事ではなく、そもそも輸入車はこういったゴム製パーツを定期的に交換して性能を維持する考え方で造られているからです。

こういった国産車とは違うという知識を持ったうえで輸入車を点検することが大切です。 同時にタイヤの摩耗状態も点検し、残り溝が1.6mmより少なければ車検不適合となります。

車体の下側を点検できる貴重な機会

次は車の下側を点検します。 車のフロアと呼ばれる土台となる部分の下側には、ブレーキパイプやガソリンホース等の重要部品が通っています。 車止めに乗りあげてしまった、段差で車体下側を擦ってしまった等で車体下側を損傷してしまっている事もあります。 輸入車は車体下側にカバーを取り付けている車種も多いので、直接車体に損傷を与えにくい構造になっています。そのカバーが車を守ってくれるのですが、エンジンやミッションからのオイル漏れなどがカバーで隠れてしまっている事もあります。 車の下側を点検する機会は数少なく、車検は貴重な点検の機会でもあるので、カバーを取り外してしっかり点検してもらいましょう。

そしてエンジン下側には排気マフラーも通っています。 排気マフラーは錆で損傷するなどして排気漏れを起こすことがありますので、そういった箇所が無いか点検が必要です。

コンピューターも通信して点検

輸入車はスキャンツール(故障診断機)でコンピューターに車両異常が記録されていないかを確認しておくことも大切です。 国産車も電子制御の高度化が進んでいますが、輸入車はその数倍もの高度化が進んでおり、搭載されている様々なコンピューターの数は数十個にもなります。 そのコンピューターをスキャンツールで通信し、過去に異常が起こっていないか、現在の作動数値に問題が無いか、この先のために予防整備しておいた方が良い箇所はないか等をプロがスキャンツールからの情報から判断することが出来るのです。 こういった診断を行うことも輸入車と国産車の違いになります。

最終工程は完成検査ライン

車を一通り点検し、お客様と相談を行った後に作業を行い、完了すれば最終工程に入ります。

最終工程は完成検査ラインという所で、検査員資格を持ったメカニックが様々な測定機器を使って各部を計測します。 計測内容はブレーキの制動力、サイドスリップという足回りのアライメント、スピードメーターとの実測値の誤差、ヘッドライトの光軸、排ガスの濃度です。 機器で測定した数値に異常が無いか、そして検査員が作業箇所や法令で定められた箇所に問題がない事を確認出来れば車検に合格となります。

測定箇所は国産車と輸入車で違いはありませんが、輸入車は測定方法が特殊であったり基準値が違っていたりするので、車検の際にもそういった輸入車の特別な部分への知識が必要です。

まとめ

「輸入車の車検作業」について知っていただけましたか? このように輸入車の車検には特別な知識と技術、専用機器が必要です。 そのため輸入車の車検は国産車の車検より費用がかかってしまう事をご理解いただけたと思います。

・点検箇所は国産車と基本的には同じだが、輸入車だけの測定方法や基準値がある。

・輸入車の車検は構造や造り方の違いも理解したうえで、輸入車のウィークポイントを抑えた作業が必要。

・輸入車に対応したスキャンツールなどの専用機器が無いと車検作業も出来ない時代になっている。

輸入車の車検は知識と技術を持ち、専用機器も備えている整備工場で作業する事が大切です。 お近くで輸入車の車検も安心してお任せできる整備工場は、Dr.輸入車ドットコムで是非お探しください。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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