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整備
デントリペアと板金塗装の違いってなに?それぞれのメリット・デメリットとは
投稿日:2020/02/04
皆さんは、車が凹んでしまったり、擦りキズが出来た為に塗装が剥げてしまったりという経験はありますか?そんな経験をした時、どのように対処されていますか? 板金屋さんに持って行く?整備工場で修理してもらう?それとも自力で直そうとしますか? 今回は、そんな車のボディ塗装に関係のある「デントリペア」と「板金塗装」についてご紹介いたします。
デントリペアとは?
板金修理を出すと、修理請求の金額が高額であった経験がありませんか?また、高額になる気がするから修理に出さないという人も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時に登場するボディの凹みを直す画期的な方法があります。 それが最新技術の修理方法である「デントリペア」です。
デントリペアは、「ペイントレスデントリペア」という正式名称があります。デントリペアでは、ボディ塗装を活かしたまま凹みを修理します。特殊な専用工具で、凹みを押し出す技術やボディを引っ張って修復する技術で、ボディの工程を観察し短時間での修復が可能の修理方法です。
デントリペアの方が、板金塗装と比べて料金が格安で修理できるのでオススメです。中でも、雹(ひょう)の被害による凹みを修復するのに打って付けです。デントリペアは、専門の職人がいるので専門家に依頼することが一般的です。デントリペアでは「塗装を生かさなければならない」という決まりがあるので、作業範囲が決まってしまう点がありますが、品質がとても高くプロの人が見ても修復したか判断をすることが難しいと言われています。
デントリペアの作業工程は少なく、材料費も板金塗装と比べると抑えられるという点からも、比較的に安価で作業をしてもらえます。ただし、傷の具合や凹み度合いが酷い場合などによっては、デントリペアであっても高額になる可能性もありますし、板金塗装にした方がよいと判断される可能性もあります。
板金塗装とは?
板金塗装では、ボディの塗装を剥がして板金修理を行います。塗装を剥がして、凹みや傷を修理した後、塗装をし直す流れを取ります。板金塗装は大きな凹みやキズなどの修理に最適で、ボディが大きく損傷してしまった時には、板金塗装でなければ修復することができません。 板金塗装は属に言う「板金屋さん」ということになります。板金屋さんは、車をぶつけたら修理する、ボディカラーを変えたり再塗装をする、エアロの取り付けなどを施してもらう場所というイメージで良いと思います。
板金塗装では、塗装を剥がした後、凹み箇所をならしてパテを盛ります。そのパテを乾燥させた後、成形しサフェーサ(下地)を塗装して乾燥させます。乾燥後、サフェーサを研いでから塗装します。デントリペアでは、数時間で済む修理工程が、板金塗装ですと数日間かかります。 板金塗装は修理金額が修理箇所の大きさによって大きく異なりますが、再塗装や部品交換、溶接などによってパネル交換を自在に行えるなど、修理の自由度が高い点なども魅力があります。
修正可能範囲がデントリペアと比べればとても広く、修理する日数や費用、材料などがとてもかかるものの、デントリペアでは金属面のみの修理しかできないですが、樹脂製バンパーなどの修理が可能となるので、骨組みから整えることができます。 骨組みやバンパーなどを修復する必要があるほどの凹みや傷であれば、デントリペアでは済まないので板金塗装屋さんへ持ち込むことが一般的な流れとなります。
ボディ塗装を剥がし、元の状態に戻す為の施工が行われますが、板金塗装ではデントリペアと比べ「塗装を剥がす」点からも、新しく塗装をし直す流れになるので、ボディカラーと色の差が生じてしまうことがあったり、見た目の変化が見えてしまったりすることがあります。 何事もなかったように修理をしてもらえますが、中には施工後の様子を見て気になる人もいるようです。当然ながら、材料費や工賃を考えれば高額になるのが板金塗装なので、大きな事故をした際や単独事故であっても、出費が大きくなるのは納得のいく点でしょう。
それぞれにメリット・デメリットとは?
デントリペアは、塗装を剥がすことなくボディの裏側から修理したり、引っ張ったりして修理をします。塗装剥がしの工程と塗装の工程がない為、その分の修理費が安く抑えることができます。 小さな凹みであれば、デントリペアが最適です。 元々、雹被害が多く遭った国で使われた技法です。その為、小さい傷を直したり、雹によるボディの凹みなどを直したりするのに打って付けであることは言うまでもありません。塗装を生かしたまま修復してくれるのでボディカラーが変わることもなく安心して任せられます。
反対に、大きな傷を修復する為には板金塗装が最適となります。 大きく凹んだ傷は板金塗装で修理をすることにより確実に直してもらえるので、修理費や日数がかかるものの板金塗装の方が綺麗に仕上がります。バンパーや骨組みなど、デントリペアでは触れない箇所の修理もできるので、大きい凹みやボディの衝撃による歪みなどを修復するのに向いています。 修復できる箇所が幅広い点は板金塗装ならではと言えるでしょう。品質に関しては職人の技によって差が生じてしまうものの、通常レベルであればプロの方でない限り技量の差がハッキリと分かる訳ではありません。
デントリペアも板金塗装にも、デメリットがあります。 デントリペアは大きい傷を修復するのには向いていません。塗装を生かした修復であること、小さい凹みや傷を直す為の技法であるからです。 板金塗装では、金額や日数がかかり、再塗装されるのでボディカラーと差が生じてしまう可能性があるので仕上がりが場合によって気になってしまう人もいるかもしれません。
その他、下取り査定などに車を出す際には、デントリペアでは修復歴に含まれず、板金塗装では損傷状態によっては修復歴に含まれたり、修理歴が査定を下げる場合もありますので中古車市場での買い取り価格に影響が出るのは板金塗装の方と言えます。 修復歴に含まれないデントリペアでは、ボディの金属部分のみの修理となりますので、バンパーや樹脂の修復が出来ません。金属部分をちょっとやってしまったから直したいという時には、デントリペアを検討することをオススメします。
どちらにしても、整備工場などで板金塗装をやっている、もしくは、デントリペア施工を行っている工場でないと作業をしてもらえないので、整備工場で板金塗装やデントリペアをやっているか確認しておくと、いざという時に安心して任せることができます。 自社で板金塗装やデントリペアを行っていなくても、提携先があれば問題ありません。
まとめ
板金塗装、デントリペアの違いをご理解していただけましたでしょうか。 車の凹みの具合によって、板金塗装でやるべきかデントリペアで修理するべきか判断をする必要があります。ご自身で傷や凹みを直そうと思うと大変なうえ、塗装の色がボディカラーと異なり違和感のある仕上がりになってしまう可能性があります。 できてしまった傷はショックだと思いますが、信頼できる整備工場で板金塗装が良いのかデントリペアで対応可能なのかを相談して、しっかりと綺麗に直すことをおすすめします!
[Dr.輸入車ドットコム編集部]