Dr.輸入車ドットコム Dr.輸入車ドットコム

インフォメーション

輸入車整備事例

お洒落で人気だけれどメカニック泣かせの車 ~ルノー カングーのタイミングベルト交換~

投稿日:2019/11/29

メインの画像

輸入車はカッコいいだけではなく、お洒落なモデルがたくさんあります。 今輸入車人気が上昇しているのはお洒落なモデルたちが増えたからかもしれません。

お洒落なモデルの代表のひとつが「ルノー カングー」

何とも言えないお洒落な雰囲気と使い勝手の良さで、同じクラスの車種の中では断トツに中古車相場も高額となるほどの人気です。毎年富士山のふもとでカングージャンボリーというイベントが開催され、そこには全国から1,000台以上のカングーが集まるイベントもあることから、人気ぶりがよく分かると思います。











カングージャンボリー2019の会場です。凄い台数のカングーたち!1,714台が集まったそうです。(ルノージャポンHPより)

定期的に交換が必要なタイミングベルト

そんなカングーですが、古いモデルでも人気モデルなだけに、定期的に交換が必要となるタイミングベルト交換作業の依頼も多くなっています。 エンジンは横置きの1.6リッター、4気筒で特に変わったことはないのですが、タイミングベルト交換については作業する側からすると注意しないといけない点があるのです。 この注意点を知らないがためにエンジンを壊してしまったという事例もあるほど。

特殊な作業となることから整備工場選びも重要

このエンジンの作業工程が特殊である事もあり、正規ディーラーでは作業工賃が同じクラスの車両と比べて1.5倍ほどしてしまいます。 そこでディーラー以外の整備工場へ入庫されるユーザー様も多いのですが、先ほど申し上げた通り、作業工程が特殊で注意点があるうえ、SST(専用工具)がないと確実な作業ができないので作業を受け入れてくれる工場が少ないのが現状です。受け入れてくれても注意点を知らずにエンジンを壊してしまうといった事もあるので、整備工場選びにも気を付けないといけない車でもあるのです。

その特殊で注意しなければいけない点をご紹介いたします。 ユーザー様にとっては愛車を任せられる整備工場選びの参考になれば幸いです。

タイミングベルトとは?

タイミングベルトとはエンジンの中心となるクランクシャフトと、クランクシャフトに繋がるピストンが上下するのに合わせて、エンジンに空気を送り込んだり、燃焼後の排気ガスをエンジンの外に出す役目をおこなうためのバルブを作動させるカムシャフトを繋ぐ大切なベルトです。 人間で言うとアキレス腱と同じで切れてしまうと動けなくなってしまいます。 タイミングベルトが切れてしまうと動けなくなるだけではなく、エンジン内部が破損してしまい修理には高額な費用が掛かってしまう事になってしまうのです。

そんな大切なタイミングベルトはモデルにもよりますが、カングーでは6年ごとの交換が指定されていますので、定期的に交換を行う事が必要です。 走行距離が多い方は、6年に達する前に交換が必要となるので注意してくださいね。

タイミングベルト交換の工程をご紹介

作業工程ははじめにタイミングベルトカバーを外すため、クランクシャフトプーリーのセンターボルトを取り外すのですがココから注意が必要です。 国産車やルノーなどのフランス車以外ですと、プーリーを固定して緩めるだけなのですが、このカングーのエンジンはSST(専用工具)を使用しないと、このクランクシャフトプーリーのセンターボルトを緩めた瞬間に大変なことになってしまいます。

あるはずのモノが無い!?

詳細は専門的になりすぎるので割愛しますが、通常のエンジンではあるはずの「キー」と呼ばれるクランクシャフトプーリーとクランクシャフトの位置を合わせるものが無いのです。





















通常ですとこの穴の一部分に切り欠きがあり、そこにクランクシャフトに取り付けられた「キー」と合わせることになります。キーが無い事は経験豊富なメカニックでも、このエンジンを整備した事がなければ驚くことなのです!大半のエンジンは「キー」があって当然なので、作業工程もクランクシャフトプーリーとクランクシャフトは同じ位置で当然という前提で作業を行いますが、このやり方で作業してしまうとエンジンを壊してしまいます。しかしSSTでしっかりとクランクシャフトとカムシャフトの位置を固定して作業すれば問題ありません。












SSTはこの写真ようにカムシャフトの後端に取り付けるものと、エンジンブロックに差し込みクランクシャフトを固定するSSTの2種類を使用して確実な作業を行います。 しっかり固定すればタイミングベルトの張り調整に気を付けて交換すれば完了です。 新品に交換すれば、通常の走行距離だとこの先6年間は安心して乗っていただけますね。

気になる整備費用は?

この1.6リッターエンジンを搭載するルノー カングーのタイミングベルト交換は、正規ディーラーで約17万円の見積もりでしたが、高品質で安価な優良社外パーツを使用し約12万円で作業完成です。 同クラスのエンジンと比べると高い印象があるかもしれませんが、このような特殊な工程を説明するとユーザー様からはお願いして良かったと喜んでいただけました。

作業を断る整備工場も

このように輸入車のエンジン整備にはSSTが必要となる場合が多いのですが、国産車を中心に扱う工場やルノーの整備経験が少ない工場ではSSTが無い、正確な作業のための整備資料が入手できないなどで作業を断ったり、作業ミスを発生させてしまう事があります。

信頼できる整備工場へお任せしましょう

輸入車は特殊な構造も多く、作業工程も特殊なことが多々あります。 そして輸入車ユーザーとしては、どの整備工場へお願いすれば良いか非常に悩むこともあると思います。 正規ディーラーでの作業も安心ですが、正規ディーラー以上に技術力もあり、優良社外パーツの利用などで作業費用を抑えてくれる整備工場もたくさんあります。 Dr.輸入車ドットコム掲載店では整備資料の入手はもちろん、SSTも全国ネットワークで共有していますので、正確で適正な価格の整備がご提供可能な信頼できる輸入車整備工場をDr.輸入車ドットコムで探してみてください!

まとめ

お洒落な雰囲気いっぱいですが、メカニック泣かせの一面もあるルノー カングー。 しかし整備に関しては知識と情報があれば全く問題ないので、ユーザーの皆さんは信頼できる整備工場でしっかりとメンテナンスを行い、安心してお洒落な車と共に素敵な輸入車ライフを楽しみましょう!

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

車検・点検修理の依頼はこちら

おすすめ記事