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輸入車整備事例

気になる異音が出たら早めの点検を ~ルノー ルーテシア サビが原因の異音修理~

投稿日:2019/11/01

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少し段差のある道を走っていると、ゴドゴトやガタガタといった気になる音が出ることはありませんか? 今までは無かったけど、最近になって気になる音がするといった方は早めに整備工場へ点検に出した方が良いですよ。

この事例では、早めに気になる音の点検をした事で最低限の修理で直すことが出来た事例を紹介します。


お車はフランスの気品漂うオシャレな一台、ルノーのルーテシア イニシアルパリです。












ユーザーさまから、「最近、走行中に段差を乗り越えた時にゴドゴトと大きな気になる音がする」「前から少し気になっていたけど、音が大きくなってきたので点検して欲しい」とのご依頼をいただきました。

走行テストで異音を確認

お預かりして早速テスト走行を行うと・・・。 綺麗に舗装された道では特に気にならないのですが、少し段差がある道を走行するとゴドゴトと気になる音が右前あたりからする事に気が付きました。 これの事だなと分かったので点検のために工場へ戻ろうとしましたが、「コンビニなどの駐車場への出入りの段差で大きな音がする」とも仰っていたので、試してみることに。

近くのコンビニの駐車場へ入ろうと入り口の段差を乗り越えようとした時、ガタン!!とビックリする大きな音が!タイヤが外れたのかと思うくらいです! そして駐車場を出る時にもガタン!!と大きな音が。 よくこの状態で走っていたなぁと思うくらいの大きな異音でしたので、工場までの帰り道はとにかく慎重に走って帰ります。

作業リフトで点検を行います

早速、工場の作業リフトを使って右前の足廻りで何か外れてしまっているパーツが無いか、各部のガタは無いか?を重点的にチェックします。

はじめはロアーアームのボールジョイントを疑いましたが特に大きなガタつきは無し。 他のサスペンションアーム類も特に問題ありません。 次にホイールを取り付けるステアリングナックルを持ち上げると、通常はしっかり固定されて動くはずが無いのですが、ガタっと動くではありませんか!

原因はなんと

そこで入念にガタつきの原因を探求すると、ショックアブソーバーとアッパーマウントを繋ぐ箇所がガタガタ動いてしまっています! ショックアッパー部を確認すると、ガタつきを発生させていた原因はセンターナットの下にあるはずのワッシャーが割れて破損し、そのワッシャーの隙間の分がガタついていたのでした。





















通常ワッシャーが破損する事なんて滅多にありませんが、この写真の通り破損の原因は“サビ”です。 そして何故ワッシャーが破損するまで錆びたのかを究明しないと、またワッシャーが破損して故障の原因になってしまいます。

根本的な原因は?

色々と調べた結果、根本の原因を究明! このルーテシアはワイパーカウル内にショックアブソーバーのアッパー取り付け部がある構造となっているのですが、雨水などが流れ込むワイパーカウル内の水抜き穴が詰まってしまい排水が出来ていませんでした。 そのため雨で水が溜まり続け、晴れたら水が蒸発するという繰り返しとなり、ショックアブソーバー上部のワッシャーが錆びてしまい、走行の振動で破損してしまったのです。












ショックアブソーバー自体とショックアッパーマウントは点検のうえ問題なかったので、破損したワッシャーの交換と、念のためショックセンター取り付けナット、ショックアッパー取付ボルトも交換しておきます。 新品のワッシャーとナットを注文し、各部点検のうえ規定トルクで締め付けてショックアブソーバー部分の修理は完了です。

根本的な原因を改善

そして詰まっている水抜き穴も綺麗に清掃します。 水が溜まりやすい構造になっているため、ゴミや泥、落ち葉などで穴が詰まってしまっていましたが、清掃後は流れ込んだ水が穴からすぐに排出されるようになりました。 そして左側も同じ構造になっているので確認しておきます。 左側は問題なく流れ込んだ水が排出されていましたが、念のため綺麗に清掃しておき予防を行なっておきました。

気になる修理費用は

非常に大きな異音が発生するトラブルでしたが、ユーザーさまが早めに整備工場へ点検を依頼していただいたおかげで、交換したパーツはワッシャーと取り付けナット、そしてショックアッパー取付ボルトの部品合計で約3,000円。作業合計額は部品代と点検修理工賃を含めて2万円程と最低限の修理で収めることができました。 もしこのまま乗り続けていたら、ショックアブソーバー本体や関連するパーツまで損傷してしまい、数十万円もの交換部品代がかかったかもしれません。

輸入車ならではのウィークポイント

今回はルーテシアでの事例をご紹介いたしましたが、これはルノーやフランス車に限られた事例ではなく、他のメーカーや車種でも起こってしまう事例です。 車種によっては近くに設置しているコンピューターが水没して壊れてしまう事例もあります。。。

このような事例は国産車では少なく輸入車に多いので、こういった輸入車ならではのウィークポイントをおさえた整備を行う整備工場に愛車をお任せしたいものですね。

今回の事例からお伝えしたいこと

・気になる音が出てきたら早めに整備工場で点検してもらいましょう。

・早めに修理をしておくことで必要以上の出費を抑えることができます。

・輸入車ならではのトラブルもあるので、輸入車のウィークポイントをおさえた整備を行う工場へお願いすると安心です。

輸入車は国産車と違って、予想もしないトラブルが起こる場合があります。 しかし輸入車と共に過ごす生活は、人生に予想もしない素敵な時間をもたらせてくれるなど魅力がいっぱいです。 定期的な点検を行いながら、何かあれば早めに整備工場へ相談し、輸入車との素敵な時間をより魅力的なものにしましょう。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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