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輸入車にはこんな珍しい構造も ~フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーランのウォーターポンプ交換~

投稿日:2019/08/06

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フォルクスワーゲンの珍しい構造と、ウィークポイントの修理事例をご紹介します。

近年の輸入車は“ダウンサイジング”と呼ばれる排気量を小さくしたエンジンを搭載する車が主流となっています。

一昔前は2.5リッターエンジンや3リッターエンジン、そしてV型6気筒エンジンなどパワーのある車=排気量が大きいというのが当たり前でしたが、近年は1.6リッターや1.4リッター、1.0リッター以下という小排気量のエンジンが主流となっています。 全世界で環境対策が求められており、時代はより効率的なエンジンを求めています。

排気量が小さくなればパワーがなく走りがいまいちじゃないの?と思う方もおられるかもしれませんが、ダウンサイジングエンジンには小さい排気量を補うためにターボチャージャーやスーパーチャージャーといったパワーを補うための装置が取り付けられているのです。

ターボチャージャーやスーパーチャージャーが取り付けられることによって、1.4リッターや1.6リッターエンジンでも2.0リッターLエンジン並みのパワーが発揮され、しかも昔のターボチャージャーのイメージとは異なり、非常に燃費も良くなっています。

フォルクスワーゲンのゴルフやトゥーランといった人気モデルもダウンサイジングエンジンが搭載されていますが、主流となっている1.4リッターエンジンは非常に珍しい構造になっています。

そしてココがこのモデルのウィークポイントでもあるのです・・・。

このエンジンの珍しいところは1.4リッターのダウンサイジングエンジンにターボチャージャーもスーパーチャージャーも両方搭載されていること。 低速域が有利なスーパーチャージャーと、高速域が有利なターボチャージャーの両方で全域をパワーアップさせています。

実際に走ってみると非常にパワーがあり、1.4リッターと思ってアクセルを踏み込むと力強い加速に驚くほどです。

それ以上に珍しいところがあり、スーパーチャージャーをON-OFFさせるクラッチは通常スーパーチャージャー本体に取り付けられているのですが、なんと冷却水を循環させるウォーターポンプと一体になっているのです。 これは同じ自動車整備士でも国産車メカニックにとっては驚くこと。 メカニックにとっては今まで当たり前だったことが、当たり前でなくなった構造といっても過言ではありません。

そんな珍しい構造のためか、水漏れや異音が発生し修理が必要となる事が多く発生してしまいます。


今回は1.4リッターエンジンのゴルフ トゥーランで水漏れが発生したため、点検診断のうえスーパーチャージャークラッチ付きのウォーターポンプの交換作業を行いました。

交換手順としては発電機となるオルタネーターなどを駆動するベルトを外し、その後ウォーターポンプを駆動する短めのベルトを外してからウォーターポンプ本体を取り外します。 カバーを外すためにエンジンと車台に狭い隙間に手を入れて、見えないボルト類を手探りで取り外すことが必要となり、メカニックにとっては非常に苦労する作業でもあります。












取り外した後は新品部品を組み込んでいき、最終チェックをして完成となります。

今回作業を行ったトゥーランの1.4リッターでは、作業時間は冷却水の充填確認を含めて約4時間でした。 珍しい構造のパーツでもあるため部品代が通常のウォーターポンプより高価となり、部品代と作業工賃の合計で約8万円の修理となりました。

ユーザーさまが早めに水漏れに気付き、すぐにご入庫いただいたおかげで最低限の修理で収まり良かったです。 水漏れに気付かず、そのまま走行してしまっているとオーバーヒートしてしまい、最悪の場合はエンジンまで故障してしまう事もあります。 そうなると数倍の修理費用がかかってしまった可能性も。

水漏れに気付いたのは駐車場に何か水のようなものがあったからおかしいな?と感じたそうで、こういったいつもと違う事があれば早めに整備工場へ相談に行くことをおすすめします。

フォルクスワーゲンの修理はもちろん、車検や板金塗装も全国のDr.輸入車ドットコム掲載の輸入車整備工場へお任せください。

[Dr.輸入車ドットコム編集部]

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