ポルシェ911カレラ4S(996)のドライブベルト交換などを作業いたしました。
996は991が空冷から水冷に代わった最初のモデルですね。
2004年式なのでその996の後期型ということになります。
今回はエンジン始動時に「キュルキュルキュル」という激しいベルト鳴きが発生するようになってしまったということで修理のご用命をいただきました。
ドライブベルトはもちろん劣化していましたので新品に交換させていただく形にはなりますが、注意しておきたいのはベルトがかかっている車輪の部分、その中でもテンショナープーリーとアイドラープーリーです。
このプーリーの回転軸のベアリングにゴロツキやガタが出て、ベルトの張力で力がかかった際に少し傾いてしまうことがよくあります。
その結果、ベルトの当たり面での摩擦が増えてベルトが鳴きやすくなります。
今回もアイドラープーリーにガタが出ていましたので、ベルトと同時に交換させていただくこととなりました。
ドライブベルトそのものももちろん劣化していましたが、ベルト鳴きの原因はどちらかと言えばこのアイドラープーリーのガタツキによるところが大きいですね。
今回のようにベルト鳴きという明確な症状があれば別ですが、そういった症状が何も出ていない場合はプーリーのガタなどは比較的見過ごされがちな箇所でもあります。
またベルトが張られたままの状態では分り難いところでもありますので、車検や法定点検でプーリーをチェックする際は、ベルトを外して各プーリーをフリーの状態にしてガタやゴロツキ感のチェックをするようにしています。
また、ベルトを外すということはオートテンショナーを動かすということなので、テンショナーの張力が保たれているかどうかのチェックにもなり、お車の状態を確認することもできます。
ベルト周りのトラブルは大きな故障に繋がる可能性もありますので、定期的にきちんとチェックをして早めに交換しておくようにしましょう。